学校について

教育方針 ~通信制高校の特徴~

高校教育の新しい取り組み

教育課程は、通信制・総合学科ですが、この柔軟な教育制度を使って、通信部と通学部の二部を設置し、生徒が登校日数を選択できる新しい取り組みを行っています。

CONTENTS

  1. 設置趣旨と教育理念・校訓 ~School Policy and School Motto~
  2. 天学について
  3. 高校設置許可書
  4. 天王寺学館沿革
  5. 天学の制度・概要(学校制度)
  6. 天学のコース・概要(コース編成)
  7. 天学の生徒指導・概要(学習指導・進路指導・生活指導)
  8. 天学の授業・概要(取り組み)

設置趣旨と教育理念・校訓 ~School Policy and School Motto~

血の通った教育の場 -自立・自尊・自助に向けて-

開校目的(本校設置趣旨)

「本校は単位制・通信制の高等学校を設置し、今日の後期中等教育を取り巻く様々な課題に真贄に取り組むとともに、広く地域社会に開かれた高等学校とし、生徒一人ひとりの興味・関心・能力・適性などを伸ばす教育を行い、学ぶことの意義を通して、生徒の自己統率力、また内的価値観の形成を実現させる人間教育を行うことをその目的とする」。平成14年4月開校に向け、このように本校の設置趣旨を学則に定めました。

昭和30年代から始まる日本の高度成長期、集団就職などで働く若者などの学習の場として、昭和37年、正式に通信制課程が設けられ、日本の高校は全日制・定時制・通信制の3課程を持つようになりました。以降、定時制・通信制は勤労者のための高校教育の場として、日本の後期中等教育の振興に大きく貢献をしてきました。では現在の状況はどうでしょうか。集団就職はもうありません。これからもないと思われます。当初想定していた働きながら学ぶ学習者は急減し、高等学校の進学率は97%を超えるようになりました。この現状から見ると、対象とされてきた学習者はほぼ存在していないことになり、この制度は一つの役割を終えています。当時の設計は、既に久しく実体とは乖離したものとして終えなければならないでしょう。時代の声に耳をそばだて、役割を終えたものは設計をし直さなければなりません。しかし法令的には何も変わってはいない。本校はこのことを踏まえ、柔軟に規定されたこの制度を活用し、今の時代に合った新しい高等学校を作っていきたいという強い思いで発足しています。同種高校の多くが50 年前の小さな学びの形を、謂わばそのまま平行移動し、時間に制約のない学習者を疑似的に勤労者と見なし、決して大きくはない学校生活の中で、卒業資格取得中心の学びとなっていることが残念です。また、敢えて言うなら、いつの頃からか、商業主義に走っているような現状が散見され、学校教育法に定められた一条校としての高校課程、高校制度を翻弄しているようにも思えます。

今の時代は複雑です。真面目な生徒だからこそ学校生活に悩んでしまうといった不思議がしばしば起こってしまいます。このように勉学への思いを持った生徒が結果として多様化している「今」があります。本校は勉学に軸足を置いた生徒を求め、努力しようとしない人は、本校の求めている生徒ではありません。前者の生徒の皆さんのためにと、開校した高等学校です。

教育理念(学校目標)

学校を「血の通った教育の場」とすること

学校法人天王寺学館創設50周年を記念して天王寺学館高等学校が開校されました。法人は現在60周年を超えました。学館60年、創設以来、一貫して「血の通った教育の場」を標榜して参りました。開校以来、大切にしてきた規範は「生徒一人ひとりの心に寄り添うこと」にあります。学校にあっては、いつの時代にも、この「血の通った教育」が不可欠です。この規範を忘れず、これからも、生徒一人ひとりを深く理解し、生徒たちに誇りある有意義な高校生活を送らせたいと考えています。

「やれば出来る」を掛け声に!  やれば出来る。つまりやらなければ出来ない。簡単な道理です。そのためには自らにレッテルを貼らないこと。「やれば出来る!」を生徒諸君への励ましの言葉とします。

校訓(生徒目標)

『自立-自尊-自助』を規範とすること

生徒の皆さんは、この「三つの自ら(みずから)」を行動規範とし、他に頼らず、他の影響を受けず、自らの足で立ち、それぞれの目標に向かっていってほしいと思います。また礼節、品格を重んじて自己を練磨し、人格を強固にして、自己統率力と個としての内的価値観を形成していってほしいと思います。

自立とは、他の助けや支配を受けず、一人立ちすること。
自尊とは、プライドを持ち、驕ることがないこと。
自助とは、他に頼らず、自らで事を為すこと。

縁(えにし)ありて本校生となる諸君へ

『天学生悠々たれ』

縁ありて本校生となる諸君、時代を洞察する力を有してほしい、出来上がっている社会の矛盾・錯誤を見極める目を持ち、考え、行動する人であったほしい。他者の常識と呼ばれている「常識」を疑い、まずは広く、潮流の如くダイナミックに流れる世界の動向・変化を察知し、そこに身を置いてほしいものだ。「木を見て森を見ず」という警句がある。狭い世界の中にいると、君たちすべてが持っている天賦の翼が退化する。思考が幽閉され、個の尊厳が損なわれる。それぞれにとってかけがえのない人生(時間)を誇り高く生きていくためには、今を見定め、分析する力量を必要とする。おそらく学ばなければ得られないだろう。経験しなければ見えないだろう。程度の差こそあれ、諸君は未だ無知である。たとえば「地動説」という真理を唱えた学者が「天動説」を頑なに信奉する人たちによって命を落とす不幸があった。理科の教科書には、一行、「地球は太陽の周りを公転している。」とのみ記される。教科書は真理の山である。そして先人の労苦が教科書の中に詰まっている。進学は大切だが、もっと大切なものがある。打算なく純粋に学ぶという行為を良としたい。日本はなかなか変わらない。学校も変わらない。政治では変わらない。私たち一人ひとりが変わらなければ変わらない。高等学校は、次に来たる社会参加の訓練の場である。滔々と流れる時間の中では、殆どの苦悩は流してしまえば良い。将来を見極めにくい時代に私たちは生きるが、君たちの確固たる「意思」の前では、多くが矮小の出来事に過ぎなくなる。泰然自若、悠々とした生徒となってほしい。

天学生悠々たれ。

天学について

天学が求める生徒像 ~意欲と向上心があり、他者を理解できる心豊かな人~

中学新卒生のほか、転・編入生、体調不良や登校に不安や悩みを持った生徒の受け入れも積極的に行っている高校です。したがって筆記による学力検査は行わず、原則、入学時の学力は問いませんが『学習意欲』や『向上心』が感じられない生徒の受け入れは行っていません。また、相手の立場や心情が理解ができる『豊かな心』を持った人が本校の求める生徒像でもあります。

本校には、中学校の学習項目から復習に取り組んでいる生徒もいます。また高い学力を有した生徒もいます。あるいは美術が何より好きな生徒も入学をしてきます。

『受験』のための狭い価値観になりがちな『勉強』を、本校では『努力』という言葉に置き換え、大切な高校時代を浪費することなく、今与えられた時間を大切にしていこうと伝えています。新しい知識や未知の出来事を知る『学ぶ』という行為は、本来、『喜び』であったはずです。

すなわち、本校では入学時の筆記による学力検査は行いませんが、意欲と向上心のある人を求めています。中学校に登校できていなかった生徒には、中学基礎補習と英語Ⅰ・数学Ⅰは3レベルの授業を実施しています。また、落ち着いた学習環境を維持するため、服装、髪型等、学校生活や学習に不要と思われるものは禁止しています。

本校指導方針 ~個々人をありふれた「平凡な物差し」では測らない~

様々な価値観に触れ、そして刺激し合い、その個性や感受性を互いに尊重しながら、実社会に向かっていく自立した若者を育ててまいりたいと考えています。したがって、すべてを「平均的」にあるいは「標準的」にという見方はせず、一人ひとりの足取りや思い、またその夢を支えていく高等学校であり続けたいと考えています。本校はクイズの集大成のような学びだけを重視してはいません。多感な高校時代に学ぶことは本来、山ほどあるからです。

多様な個性が豊かな社会を築いていくように、私たちは、この学校現場の中で、「それぞれの個性一つひとつ」を大切に育ててまいりたいと考えています。

天学の学校生活とは

『落ち着いて学べる「勉強の場」を提供し、一人ひとりにとって有意義な高校生活を送ってもらうことにあります。

半世紀以上も前の勤労者を対象とした「高等学校通信教育規定」、そこに示された必要最小の登校(授業)、決して豊かとは言えない生徒活動や学校行事など、散見される雛形的・典型的な通信制・単位制の高等学校のあり方とは一線を画します。天学の授業週数は全日制(35週以上)と同じ36週です。また、学校行事は高校で行っているものすべてを実施しています。(自由参加制)部活動は学校生活を彩り、イキイキとした学校場面を演出するものとして積極的に推進しています。

入学した生徒のほとんどが進学を希望していることから進路指導の役割が大きい学校です。中学時代に登校できていない生徒たちのために学び直しの場が設けられています。

天学の「学び」の概要
授業週数 前期18週・後18週(年間学習計画36週 内4週は定期考査週間)
※大学のように、前期、後期の半期ごとに単位認定を行います。(一部の科目のみ通年認定)
授業日数前期・後期ともに82~84日+その他登校日約15日(通学部5日制の場合)
※登校日数(目安)は通学3日制で約120日、通学5日制で約180日、通信部は約50日以上120日まで
授業時数週当たりの授業総数約470時間(府立高の15クラスに相当する授業を行っています。)

天学のカリキュラムとは ~①総合学科 ②単位制 ③通信制 3制度の柔軟さを活かした新しいカリキュラムです~

本校の開校目的は、雛形的な通信制高校そのものの設置にはありませんでした。柔軟なこの制度を活用し、多様な個性が調和し花開く高校作りにありました。様々な環境や、あるいは予期せぬ状況変化の中でも、「学びたい」という気持ちを持ち続けている生徒たち、今の学校が合わず、「新たな高校生活に踏み出したいと悩んでいる生徒たち」など、一人ひとりの心に寄り添って、ともに歩んでいくことのできるような高校、「全日制・定時制・通信制」という形式枠を超えた「第4の高校」を作っていくことにあります。

通信制制度は昭和37年に制定されていますが、対象となる学習者は勤労者であり、登校できる時間が取れない人のために作られたものでした。すでに半世紀余りを経ていますが、教育規定そのものが変わっていないため、今も年間わずかの登校で学んでいる生徒がいます。「高校生」として学び、学校生活を遜色なく送ることが出来る学校を個々人の現状に合わせ、この柔軟な制度を活かして運営をしています。

総合学科(選択可能な科目群と、本校独自の「学校設定科目」が準備されています。)

「総合学科」は普通科と専門学科を融合させた学科で、設置する高等学校それぞれの教育目標に沿って「学校設定科目」を独自に編成することができます。(1994年制定)

本校では、「月曜・水曜・金曜の午前中(各4時間)」に、総合学科の授業が開講されています。開講科目数は約130科目、毎時間ごとに12科目~15科目の授業が同時開講されています。その中から科目を自由に選択しますので、一人ひとりの学習計画(=時間割)を作成することができます。たとえば、朝、体調が優れない生徒は1限目、2限目を選択しないことも可能です。このように、生徒個々の状況に沿って時間割(学ぶ内容)を決めることができます。

開講分野は多岐にわたります。5教科、副教科のほか、本校独自の美術/音楽等の実習授業や高大連携による講座(法学・経済学・心理学・自然科学・理工学・異文化理解など)、地域研究授業や西洋言語、東洋言語などの異文化理解を図る授業、また留学プログラムも実施しています。

大学のように、必修科目以外はすべて生徒が自由に科目を選択できるため、特定の学びたい教科の集中学習や、希望進路に向けた科目に絞った学習にすることも可能です。

学び方(履修方法)については、年間型(前期後期の通年授業)と半期型(前期のみ、後期のみ)、そして集中授業型があります。集中授業は高大連携講座やハイキング実習など一定期間に集中して行う授業のことを言います。

教科総合学科開講科目一覧
国語国語総合・国語表現・現代文B・入試古文・国語常識・古典文法・評論入門 計7科目
数学数学Ⅰ(選択:入門/基礎/標準)・数学Ⅱ(α)・数学Ⅱ(β)・数学A・数学B・数学Ⅲ(選択) 計8科目
英語C英語Ⅰ(選択:入門/基礎/標準)・C英語Ⅱ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ・英文法基礎・英文法初級・英文法中上級・Active listening 計10科目
理科科学と人間生活A・科学と人間生活B・化学基礎・生物基礎・物理基礎・地学基礎 計6科目
地歴公民世界史A・世界史B・つながる東西史・日本史A・日本史B・地理A・地理B・地歴基礎・現代社会・政治経済/倫理・一般常識 計11科目
体育体育A1.2.3(基礎)・体育B1.2.3(標準)・スキースノボ実習・ハイキング実習・健康スポーツ実習・ゴルフ実習・ボーリング実習・座学体育 計12科目
保健保健・健康生活 計2科目
家庭調理実習・家庭基礎・家庭介護/福祉・保育 計4科目
芸術音楽Ⅰ・基礎音楽理論・初めてのピアノ・経験者のピアノ・書道Ⅰ・美術Ⅰ・絵画基礎・美術鑑賞・キャラクター造形・西洋美術史・デザイン基礎・デッサン・色彩論・日本の工芸 計14科目
情報社会と情報(PC入門)・社会と情報(ワード入門)・社会と情報(エクセル入門)・コミュニケーション論 計4科目
総合学習万葉人の心・平野郷の歴史・高大連携科目(法学・経済学・理工学・自然科学・アートの世界・心理学・異文化理解)・西洋言語・東洋言語・中期留学プログラム・臨海実習 計13科目
産業社会産業社会と人間(総合学科の必修科目)
計92科目
単位制(学年進級制と異なり、科目ごとに学習の成果を評価する卒業認定制度です。)

従来の学年制による卒業認定制度に加え、1989年に「単位制」が導入されました。学年制ではすべての科目を修得しないと、原則進級が認められず、再度同じ学年をやり直すことになりますが、単位制は、科目ごとの成果を評価する考え方で、もし修得できなかった科目があれば、その科目だけを再履修し、他の科目はすべて単位が認定されます。基本的には、3ヵ年の学習計画の中で修得単位を積み上げていく学び方になりますので、大学のように各学年の履修単位数も同一でなくとも構わないことになります。また、一部の科目を除き、ほとんどの科目が前期、または後期の半期型の学習であることから、前期、後期ごとに単位の認定が行われます。

年間最大36単位まで履修することができますので、前期、後期ごとに学習計画を立てることが可能で、たとえば前期は科目数を少なくし、後期に多く履修することもできます。74単位以上の修得をもって卒業を認定します。

高校設置許可書

本校は学校教育法第一条に定められた私立高校で、大阪私学108校の中の一校です。

本校法的位置づけ大阪府許可私立高校(共学校) 単位制・通信制(狭域性)・総合学科
大阪府知事高校認可番号大阪府指令私第29-6号
高等学校認可年月日2002年3月22日
高等学校開校年月日2002年4月1日

本校をしばしば専修学校等と思う誤解をしている方が中高の先生方の中にもいて、実態理解がいただけないことを残念に感じています。本校は2002年4月に開校した、学校教育法第一条に規定された大阪府認可の私立高校です。この誤解はおそらく、通信制・単位制高校を取り巻く環境が混乱していて、正規高校の周辺に、法律想定外の教育施設が多数存在し、文部科学省をはじめとした行政機関も整理がつかない現状にあるからだと思われます。

現在は平野区に校地校舎を移転しています。本校舎だけの運営を行い、技能連携等他の教育機関とは一切関係を持っていません。

天王寺学館沿革

学校法人天王寺学館について

学校法人天王寺学館(所在地:大阪市阿倍野区松崎町)は、1953年4月に天王寺予備校を創立、1967年4月には関西外語専門学校(旧校名:天王寺英語学院)を併設しました。

学校法人創設50周年を記念し、2002年4月、同地に、専門学校と校地を隣接した形で、天王寺学館高校を開校しました。それぞれの学校はそれぞれ独立し別個の学校として運営されています。

2010年10月、天王寺学館高等学校は現校地に校舎を建築し移転いたしました。阿倍野キャンパスは法人本部と関西外語専門学校・天王寺予備校、平野キャンパスは高等学校と、専門学校と高等学校のキャンパスを独立させています。

天王寺学館の歩み
1953年4月「天王寺予備校」設立
1967年4月「天王寺英語学院」設立(現 関西外語専門学校)
1969年4月学校法人天王寺学館創設
1976年4月「天王寺英語学院」大阪府より専門学校第一号認可を受ける
1987年4月「天王寺英語学院」を「天王寺アカデミー専門学校」に改称
1989年4月豊中キャンパスにて「関西国際高等専修学校」設立(現 関西外語専門学校国際高等課程)
1993年5月「天王寺アカデミー専門学校」を「関西外語専門学校」に改称
1994年4月関西外語専門学校に留学生センターを設置
1995年4月「藤井寺留学生会館(Fujiidera International House)」設置
1999年3月新校舎「新館」落成 「天王寺学館生涯学習センター」設置
2002年4月「天王寺学館高等学校」設立
2003年3月「天王寺学館」創立50周年式典
2003年11月学校法人天王寺学館 創立50周年記念式典挙行
2010年10月「天王寺学館高等学校」新校舎(平野区)に移転
2013年4月学校法人天王寺学館 創立60周年

学校法人 天王寺学館(阿倍野本部) 法人本部・関西外語専門学校・天王寺予備校

〒545-0053
大阪市阿倍野区松崎町2-9-36
TEL:06-6621-1881(天王寺学館法人本部 代表電話)

天学の制度・概要(学校制度)

天学は多様な生徒の学習ニーズに応え、生徒自身の選択肢を広げていく学校作りに当たっています。

ダイナミックに、多様に変化していく、この新しい時代を生きていくためには、何より自立していく若者を育成していかなければなりません。天学はそうした理念のもと、自主性を重んじた学校のあり方を模索し、探求し、形にしています。

総合学科とは

総合学科は普通科と専門学科を融合した新しい学科です。

総合学科は、普通科と専門学科(工業、商業、農業、国際教養、芸術など)を融合した新しい学科、1994年に文科省の推奨により設置された新しい学科です。総合学科を取り入れる高等学校が増えています。

大学のように、必修科目以外はすべて本人が科目を自由選択できます。例えば「数Ⅰ」で終えることも、「数Ⅲ演習」まで学ぶことも、生徒本人が自由に選択できます。希望進路の実現に向けて、特定教科の科目を多数履修することも可能です。適性や資質を伸ばすことができるなど、生徒一人ひとりの学習ニーズに応えることができる新しい学科だといえます。

単位制とは

単位制は、従来の学年制とは異なる、科目ごとに単位修得を評価する卒業認定制度です。

単位制とは、科目ごとにその学習成果を評価する卒業認定の制度です。学年制では、第一、第二、第三学年と学年進級の制度が柱となっています。たとえば大阪の府立高校では、週30時間(30単位)×3年=90単位が標準卒業単位ですが、学年のすべての科目が修得できないと進級できず、再度同じ学年をやり直すことになります。

単位制は、一つひとつの科目についての成果を評価し、修得単位を積み上げていく考え方に立った卒業認定制度で、基本的には大学の卒業認定制度と同じものです。したがって、大学のように各学年の履修単位数は変化してもかまわないことになります。

本校では74単位以上を以って卒業を認定していますが、これは高校卒業要件の必要最小単位数で示された別の規定によるもので、単位制制度とは直接関係がありません。

単位について

高校の「単位」について、毎日登校する全日制で分かりやすく説明してみます。例えば「国語総合」が週4時間の授業なら「4単位」、週2時間、「日本史」の勉強をしている場合は「2単位」ということになり、週の授業時数が単位数です。これを学習時間で見ると、全日制では年間35週間以上の授業週を持たなければなりませんので、国語総合は4単位×35週=140時間、日本史は、2単位×35週=70時間となります。全日制、定時制、通信制ともに、この必要とされる学習時間数は変わりません。したがって、通信制では学校で学ぶ時間数とレポートにより学ぶ学習時間数を合わせて、国語総合なら140時間を、日本史なら70時間を学ぶことになります。

教育課程(カリキュラム)

「通信部」「通学部」の登校選択肢を持つ本校独自の斬新なカリキュラムで運営されています。

通信部

本校の通信部は「月・水・金」の午前3日登校を標準とし、年間36週の授業を受けることができます。

月・水・金の午前に各4時間(9:05~12:35)開講している総合学科科目群の中から、生徒が学びたい科目を自由に選択し、合わせてレポート課題により高校の学習を進めていくものです。生徒は各時間、選択した科目の開講教室に移動して学びますので大学の受講形式に似ています。

本校は多くの通信制に見られる必要最小の、いわば「作業」のような高校卒業資格取得のための学習とは一線を画しながら、生徒一人ひとりの現状により出席時間数についても柔軟な考え方で対応をしています。登校できる生徒は年間36週の授業をしっかりと受けてください。

この通信部の授業は、通信部生・通学部生すべての生徒が受講する「共通授業」でもあります。

通信部は無理なく、「キミの今」に合わせ、学習と学校生活を始めることができる学び方です。また、豊かな余暇時間を活用し、様々な経験や体験を通して、将来の道を自らの手で切り拓いていく自立心や計画性を培っていくことができます。

通学部

午前・午後の全日学習を行うもので、通学5日制、通学3日制、通学4日制(3年次生および2年次特進コース生)から登校日数を選択することができます。全日制基準と同じ36週の授業を実施しています。(※通学部の授業は付帯教育・特別学習指導コースとして学則上に位置付けています。)

通学部は、すべての生徒が共通で受講する授業(上記の通信部授業)に加えて、積み上げ学習を目的とした授業(全日制基準と同一)の双方を受ける学習の形を言います。5日制は週20時間(特進コースは28時間)、3日制は週12時間、3年次生を中心に選択できる4日制では週16時間にわたり、将来進路の実現に向けた学習を行います。通学部の授業は、学年別、習熟度別、及び文系・理系・芸術系の進路別コースに分かれ、少人数授業が行われています。(※通学部生は全体の35%前後を占めます。)

3日制は主要3教科に絞った学習、5日制はセンター試験受験のための5教科対策または私立大受験者のための英数(理系進学者)、英国(文系進学者)に重点を置いた学習を行います。芸術系進学総合コースでは、美術に関わる専門科目の実習授業が週12時間行われ、別途「デッサン」を選択科目として設定していますので、デッサンを選択した場合は週16時間の実習授業を受けることができます。

天学のコース・概要(コース編成)

登校日数を選ぶこと、学習到達度にあったコースを選ぶこと、今の自分にあったコースを選ぶこと、希望進路に 向かうコースを選ぶことができます。また、柔軟に転コースを認め、たとえば理系から文系への変更も可能です。

【備考】
 ※1.年3回までの転コースを認めています。
 ※2.1年次生の通学部は5日制又は3日制です。
 ※3.2年次生(特進コース生)は4日制も選択できます。
 ※4.3年次生は5日制・4日制・3日制から選択できます。

それぞれの高校生活、それぞれの登校のカタチがあります。
生徒が登校日数を選択できます。8人の一週間の学校生活を次に紹介します。

天学の生徒指導・概要(学習指導・進路指導・生活指導)

個性を生かした自己実現のための指導を、生徒とともに考えていきます

学習指導について

人にはそれぞれにかけがえのない個性があり、ものの見方や感じ方も違っています。どこかで、「標準的であること」や「平均以上であること」を評価基準として求められ続けてきた生徒たちは、その生徒にしかない素晴らしい資質や能力を結果として伸ばせてこなかったかもしれません。興味を持った一つの対象に向かって、「探求」を続ける生徒は素晴らしい学習者であり、そこを支え伸ばしていきたいと考えています。多様な個性の集まりがそれぞれを認め合い、刺激し合い、新しい幅広い価値観に触れて互いを高め合っていくような「心豊かな学ぶ環境」を作っていきたいと考えています。

本校の入試方針として、入学段階での筆記による学力検査は行っていません。

そのため、生徒たちの学力はとても幅が広く、中学の基礎事項からの学び直しを必要とする生徒がいる一方で、偏差値的に上位の実力を有した生徒もいます。

振り返り学習が必要な人は、「基礎学力補習」を大いに利用してほしいと思っています。「特進特別補講」では、通常授業をさらに充実させるための演習形式の追加授業を毎週、実施しています。

今は差があったとしても、在学中の努力によって将来の力は大きく異なってきます。

基礎学力補習

時間帯⇒火曜・木曜の午前

全生徒を対象に中学校の学習項目(英数中心)の基礎復習学習を実施しています。

特進特別補講

時間帯⇒火曜・木曜の午前

通学部・特進コース生を対象に週6~8時間、特別補講授業を実施しています。

進路指導について

大学進学に偏向してはいませんが、「サンデー毎日」、「週間朝日」、「週刊ダイヤモンド誌」等の進学速報などでは、ここ数年、1,200高校~1,600校(全5,200高校中)程度に絞られた特集号には本校が掲載されます。進学率もここ3年約90%と、高い数字を示しています。

今、私たちは進路指導そしてそのベースを作る学習指導に最も力を注いでいます。やれば出来る生徒たちがいます。学びにしっかりと軸足を置いて勉学に取り組んでいる多数の生徒がいます。純粋に学ぼうとする生徒たち、学習の遅れを取り戻したいと強く願っている生徒たちもいます。学校は彼らの純粋な学習意欲に応え、支え、そして力を伸ばしていかなければなりません。進路とは「これから生きていく道」のことです。そして、その進路実現のためのたゆまぬ努力は、将来、どのように社会参加をしていくかの前提となる「生きる力」を身につけていく行為の確立に繋がっていくものと考えています。その最も重要な時間の中にいる高校生を導くところが本校の進路指導部です。

保護者の皆様へ

大切な生徒さんをお預かりします。学習指導だけが学校の仕事ではありません。指導すべき事柄については信念を持って指導します。高校生として、学習者として、また社会人としてふさわしくないと判断した行為については厳しく対処させていただきますので、ご理解とご協力をお願いします。

頭髪・服装について

染髪やピアスなどは勉学の場に不要であり一切認めていません。頭髪の長さについては、極端なものを除いては特に指導対象とはしていません。

学業姿勢について

それぞれの学びの形があります。それぞれが高い目標をもって一歩一歩着実に力を付けていってください。

制服について

制服を設定していますが、着用を義務付けてはいません。ただし制服が指定されていますので、制服と見間違えるような私服の着用は認めていません。本校制服を着用するか一般の私服かのどちらかで登校してください。

標準制服を指定し、導入しています。義務付けてはいませんが、制服での登校を推奨しています。

私服は華美なものを避けてください。また、制服は指定していますので、制服タイプの私服での登校は避けてください。

(ブレザー/スラックスまたはスカート/ネクタイまたはリボン/カッターシャツまたはブラウス)は必ず本校指定のものを着用してください。カーディガン・ベストも標準指定がありますが、単色で色の落ち着いた物も可です。靴・カバンなどは指定していません。いつでも必要な時に購入できます。

女子生徒の制服着用率は高く、男子生徒の着用率はそれほど高くありません。

本校標準制服

天学の授業・概要(取り組み)

ここでは通信部、通学部各コースの授業・学習指導について、その概要を記します。詳しくは該当ページをご覧ください。

総合学科の開講科目は約130科目です。

総合学科運営により、多数の科目を開講しています。1年次では必修科目が中心となりますが、2年次以降、生徒が科目選択を行います。たとえば数学を1年次で終えることも可能であり、また3年間数学をとり続けることも可能です。5教科中心の学習とするか、自らの学習テーマを立てるかも、生徒本人が決めることができます。(通信部・通学部共通)

2.授業は月~金の(※9:05~16:50)に実施しています。

天学は午前4時間、午後4時間の1日8時間授業を行っています。この時間割枠の中で、大きくは4つの登校形態が選択でき、一人ひとりの「今」の学びを選ぶことが可能です。午前は上記1に示した総合学科の科目で単位修得を中心としたもの、午後の授業は将来進路の実現に向け、積み上げ学習により学力を培っていくものです。午後の授業は少人数クラスによる学年別習熟度別の高等学校一般の通常授業と同じです。また、放課後、教科によっては意欲ある生徒とともに勉強会も行っています。

本校年間授業計画概要

本校は通信制・単位制の雛型的な必要最小の時間割によらず、年間36週の授業週を設け、週授業時数500時間以上(府立高校16~17クラス分の授業時間に相当)、全日制同様の授業日・授業時数で授業を行っています。

授業週数前期・後期2学期制 前期18週、後期18週、年間36週(内4週は定期考査週間)
授業日数前期・後期ともに82~84日 その他登校日は約15日 年間登校日数179日~183日(通学部5日制)
授業時数週全授業時間数536時間(府立高校18クラス分の授業時間数に相当します。)

3.到達度にあったレベルの授業を行っています。

午後の通学部は習熟度別のクラス編成を行っていますので、現在の力に合った勉強ができます。

通信部(午前の授業で、すべての生徒の共通授業でもある)では、英語、数学は入門クラス、基礎クラス、標準クラスのレベル別で授業を行っています。中学校で長期欠席等により、学習できていない生徒のため、その到達度を考えた授業を設定し対応しています。

4.基礎学習項目の学び直し学習を行っています。

通信部では、火・木の午前に、英数国について基礎項目の学習を行っています。自由参加ですが、出来るだけ出席をするようにしてください。

通学部では、「基礎総合コース」が中学項目の学び直し学習を行っているコースです。通学部生も火・木の午前の基礎学習に出席することができます。

5.質問に来てください。

意欲のある生徒には、助力を惜しみません。どんどん質問に来てください。

6.大学進学模試や各種検定試験にも積極的に取り組んでいます。

大学受験模試のほか、英検・漢検・情報関連の検定などを校内にて実施しています。受験模試は、進研模試と全統模試を併用し、進路指導を行います。

7.夏期、冬期進学補習講習会を行っています。

2年次生・3年次生を対象に前期・後期に進学補強の講習会を行っています。英数国理地歴の主要5教科について、進学受験に役立つ学習項目の講習会です。通信部・通学部のすべての生徒が対象となります。ただし、受講を義務付けてはいません。

8.芸術系コースでは実習中心の授業が行われています。

通学部の芸術系進学総合コースは本校の柔軟な制度を活かしたものです。週12時間以上の実習授業が行われます。午前の通信部授業においても8科目を開講し、幅広く選択ができます。芸美大進学にはデッサン力が問われるため、別途、木曜日の午後に、すべての生徒が選択受講できる「デッサン(4時間)」の授業を設けています。

9.映像講座による高等学校学習項目の確実な習得(センターレベル7割の学習)を行います。

2011年度に学習指導部が設置され、進路指導部との連携により、「映像講座」学習を新たに取り入れています。通信部生で見ると、自学自習で学ぶ側面があり、どうしても習熟・定着に課題が認められます。この弱点を補う学習として、映像講座を取り入れることになりました。通学部生においても、学期途中の転入生などには同様の課題があり得ますので、通学部生も受講できるよう、それぞれの時間帯を設定して実施しています。2年次生・3年次生が対象となります。受講は希望者のみですが、生徒たちはこの学習プログラムに手応えを感じています。学習項目の確認には大変役に立つものですから、多くの生徒が受講してほしいと考えています。また土曜日にも新たに「映像講座」を実施します(2011年度後期よりのプログラム。)詳しい内容は進路指導部のページで説明していますので、確認してください。

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