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校長ご挨拶

CONTENTS
 1.ごあいさつ
 2.平成30年度後期卒業式式辞
 3.平成30年度後期入学式式辞
 4.平成30年度前期卒業式式辞
 5.平成30年度前期入学式式辞
 6.BACK TO MAIN


天王寺学館のチャレンジ!
今求められる『生きるチカラ』を養う教育

校長 桐木 孝

 先の見通せない時代だからこそ。力強く、自分らしく生きる道を築く。
 AIの進化には目を見張るものがあります。特にコミュニケーションを得意としたアンドロイドは人の表情を認識して、その僅かな変化から心の機微すら読み解くそうです。昨今発表されたオックスフォード大の先生の研究では、「アメリカにある全職業の47%が今後10〜20年間でAIにとって変わられる」とのことで、この発表は世界に衝撃を与えました。このような時代に、“オススメの学校”、“オススメの仕事”といったような安直な話がありえるのでしょうか。日々過ごす社会の変化は気づきにくいものですが、20年、30年前の安定した社会であった日本では当たり前だった“オススメの〜”が通用する時代は、もう終わったのです。見た目が良さそうな舟に乗る時代は終わり、自分で舟を漕ぎ、自分で舵を取らないと幸せになれない時代が来ているのです。こういった時代に何よりも大切なのは「自分らしく生きること」です。

 実行可能性、実現可能性、PDCA、幸せになるための流儀を身につける
 しかし、この「自分らしく生きること」を実現することはたいへん難しいのです。穏やかに、物事に追われることなく、落ち着いて生活したいと思っても、それを無理じゃないかと思われるでしょう。しかし、それは強ち不可能ではないのです。「絵に描いた餅」にすることなく、それを確実に実現する方法があります。その1つがステップを刻むことです。上述の「穏やかに〜」を例に取れば、それを実現するのに最適な職業を選びます。その職業に就くための最適のキャリア(大学など)を特定し、それを途中のステップとして目標にします。例えばA大学が最適なら、入学できるように学習到達目標(偏差値)を設定します。これがその手前のステップです。そして、その夫々のステップを実現するために使うのが「PDCAサイクル」。<計画⇒実行⇒点検⇒再実行>の流れを繰り返し、最短距離で実現していきます。ステップ作りは「実現可能性」を高め、PDCAは「実行可能性」を高めます。夢は実現してこそ夢。社会がどんなに変わっても、この「生きるチカラ(=マネジメント能力)」があれば柔軟に対応できます。

 受験の本当の意味はこの「生きるチカラ(=マネジメント能力)」を体得すること
 「やらされる勉強はするな」とは私の口癖です。目的を持って、自分で考えて、やりくりしながら実行・実現していく。そのことに受験の意義はあります。学校だって、塾だって、予備校だって、メディアコンテンツだって、それを使うのは自分。大切なのはそのプロセスなのです。便利なツールが溢れるこの時代だからこそ、何もないところからでも事業を起こせるようなチカラを受験を主とした高校生活で体得すべきなのです。勉強している生徒を私は褒めません。褒めるとすれば、そのやり方を褒めるか、「本当に道楽だなぁ。自分の好きなことやって...。」といった具合にあくまで自分の生き方に向かっていることを褒めます。これからの長い人生、変化の大きい世の中、さあ、あなたはどう生きてみたいですか。

2019年5月



平成30年度後期卒業式 学校長式辞


 まだ肌寒い日もありますが、いよいよ春めいていく中、少し気持ちも緩む思いを感じる頃となりました。本日ここに、天王寺学館高等学校第17期生 卒業証書授与式に当たり、ご来賓をはじめ、保護者の皆様には、ご多用のところ、ご臨席をたまわり厚く御礼申し上げます。先ほど呼名のあった212名の皆さんは、此処に高等学校の正規課程を恙無く修了されました。ご卒業おめでとうございます。最後まで粘り強くよく頑張りました。時間の関係で一人ひとりに卒業証書を手渡せなかったのを残念に思っています。
 今日の佳き日を待ち望んでこられた保護者の皆様、ご卒業誠におめでとうございます。今日(こんにち)までの様々な出来事を思い浮かべられ、感慨ひとしおのものがおありではないかと拝察申し上げます。
 何かの縁(えにし)によって、キミたちは本校に入学をしてきました。中学時代、周りとの関係性や人との距離感などに悩んできた人、心無い虐めに苦しんできた人、起立性調節障がいで体調を崩してしまった人、あまりに厳しく自分と向き合って疲れていたキミ、学校とは何かを考えてきた人、勉強の本当の意味を見出そうとしていた人、…その入学背景は様々だったと思います。
 そして本日を迎えました。入学した頃と比べるとキミたちは確実に成長しました。放課後、図書室で進路に向かって一心不乱に、背中を丸めて学んでいる生徒の姿をとても美しいものと見ていました。何気ない光景として、廊下を友となった人とともに談笑している姿は、私の希望していたことでした。皆で力を合わせて行事に取り組んでいる姿が随所に見られました。将来進路についても、しっかりと取り組んでくれました。
 皆さんは温厚で優しい心の持ち主という素晴らしい長所を持ち、誠実で礼儀正しく、しかも個性に満ち、それぞれの空気を身に纏いながら、どこかで琴線に触れた仲間と集い、それぞれの友情を育んでいきました。この空気感と多様な生徒たちが天王寺学館高校なのだろうと思っています。
 私は今日ここに立ちながら、この計り知れぬすべてのご縁に感謝をしております。だから、天王寺学館に来て良かったのかどうか、どの生徒にも聞いてみたい思いがあります。
 いつも見ていた景色はいつか変わっていくものです。すべての人は若い時期にそれぞれの持つ初々しく、眩しい白いキャンバスに、どう筆を入れていこうかと考えます。その瞬間、多感な思いや真摯な夢が渦巻いていることでしょう。しかしその対比としての社会の現実や仕組み、個々の置かれた条件、様々の矛盾や壁に対して、戸惑い、悩みます。その距離にひるんでしまうことすらあります。
 しかし真面目に向き合えば、それは当たり前のことでしかなく、誰しもが、その道を通って来ました。若者はすべてこの懊悩や自己否定、自己肯定の苦悩、その対立の時間を経験し、自立に向かっていくものです。
 かけがえのない中学、高校時代。経験したことや、考えたこと、悩んで来たこと、あるいは休んでいた頃、自己を肯定できなかった時期、などなど。これらすべてに一切の無駄な時間、意味のない経験はなかったと言えます。これらが、キミたちの背骨を強固にし、肉付けをしてくれる糧やバネになっていくはずです。
 滔滔と流れる川の前では人事などすべて流せば良い、遥かに眺めやる夢や目標に向って、大河のごとくに悠々と歩を進めていってほしい、そう思っています。トンネルに入り込んだ時はしばし休憩をしてください。じっくり観察していくと明るく輝く前方が見えてきます。
 そのためには、大きな目で対象物を捉え、そこから真実や真理、あるいは善を見極めていかねばなりません。その時きっと気付くと思います。まだまだ、学ばねばならないことを、経験しなければならないことを・・・。 学ばなければ、あるいは経験しなければ、出口どころかほんの足元すら見えて来ないでしょう。
 動乱の昭和時代を経て、平成の時代が来ました。そして今終わろうとしています。ベルリンの壁の解体、天安門事件、その後に起こるロシア連邦の崩壊と、そんな時期に昭和から平成へのバトンタッチが行われました。平成がどのような時代であったのか、まだ目の前にあるため分かりにくいのですが、日本は低成長の暮らしにくい時代、格差社会の時代だったと思います。多くの子どもたちが登校に悩んできた時代でもありました。
 にもかかわらず、なお、ありふれた形式主義が続き、異を唱えることが難しく、分かりきった矛盾すら克服されていかなかった時代、だったように思えます。人々は一様に優しいようですが、本当の寛容さには欠けているようにも思えます。多くが萎縮し、冒険心を失っていった時代のように映ります。慎重さを大義名分に、石橋を叩いて渡る処世術が、否定されなかった時代、何かがブレーキを掛けてくる時代、そのように感じてきました。
 キミたちは是非大局に立ち、せせこましい見方を廃して、これが標準、これが常識といった既存の見方を大いに疑い、自らの考え方を信じて、その信念を貫いていってください。陳腐なありふれた選択はありふれた答え以上を与えてはくれません。それでは何も変わってはいきません。あるいは長いものに巻かれるようなこびへつらう生き方は是非ともしないでください。夢を堅持して、「自分らしく」、自分の正しいと思う直感を大切にして、新しい時代を歩いていってほしいと思います。
 新元号が間もなく公表されますが、それはキミたちの活躍していく時代です。平成でできなかった新秩序をキミたちの力で構築をしていってください。規範とされている生き方があったとしてもそれはそれです。人と比べない勇気を持ちましょう。
 …そして時間ができれば幾つかの国を巡ってみてください。駅頭も通りもすべてが博物館です。視野が大きく広がります。
 改元を向かえ、天王寺学館高等学校も新しい時代に相応しい変革の時期を迎えています。キミたちの誇りとなる学校作りに尽力をして参ります。
 結びに当たり、旅立ちを祝し、雑音には耳を傾けず、大いに活躍されんことを願い、私の式辞といたします。

2019年3月15日
天王寺学館高等学校
校長 久井通義



平成30年度後期入学式 学校長式辞


 本日は台風24号の影響で、実施日の変更も検討して参りましたが予定通り実施させていただきます。ご心配をお掛けしました。
 今年の上半期は各地で大きな災害が続きました。被災地で犠牲となった多くの方々や、なお非難を余儀なくされている皆様にお見舞いを申し上げます。
 さて、長く感じられた酷暑も遠ざかり、秋たけなわとなりました。あたりは爽やかで清浄な空気にすっかり入れ替わり、大変過ごし易い時節を迎えています。
 スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋、収穫の秋など歳時記的な秋の形容には様々なものがあるようです。春が誕生や躍動をイメージさせるなら、秋はもう少し落ち着いていて、思索や静寂の中で飛躍を遂げていく時というイメージがあります。陽が落ちると、虫の音が軽やかに聞こえ、秋はまた感受性を研ぎ澄ます時でもあるようです。
 そんな本日、ここにあなたがたの入学式が行われます。一人ひとりが、それぞれのスポーツの秋や、芸術の秋、勉学の秋、実りの秋を迎え、是非、キミたちには「成長の秋」となってほしいと願っています。一方で、あと数か月で今年は終わります。時は矢のように過ぎていることを思う時でもあります。私たちは改めて、等しく与えられた一日一時間を大切にしていかなければなりません。
 今日この佳き日に、保護者の皆様方のご臨席を賜り、ここに平成三十年度、天王寺学館高等学校 第17期・後期入学式を執り行わせていただくことは、私どもにとりまして大きな喜びでございます。保護者の皆様方には、これまで慈しみ、立派に育てて来られた数々のご労苦に対し深く敬意を表します。
 春の入学式とは異なり、内輪だけの、こじんまりとした式典ではございますが、皆さんのご入学を、教職員・在校生一同、心より歓迎申し上げます。
 先ほど入学を許可した49名の皆さん、天王寺学館高等学校へのご入学、おめでとうございます。2度目の入学式となる人がいると思います。おそらく少し面映ゆいものを感じているのではないでしょうか。
 様々な入学動機を持って本校に入学をしてきた皆さん、心機一転、本校で意義深い高校生活をスタートさせていただきたいと思っています。キミたち一人ひとりの本校での高校生活が、充実した、かけがえのないそれぞれの足あとを残す日々となることを願ってやみません。そしてこの入学式が、あなたがたにとって本当の入学式となることを願っています。
 皆さんの中には、友人関係で苦しんだり、理不尽な目に遭ってしまったり、あるいは思わぬ体調不良となったりと、様々悩んできた生徒さんがいました。そんな中、よく頑張ってきたと私は思っています。
 苦しみを経験しない人はこの世に一人もいません。孤独を感じなかった人はどこにもいません。涙を流さなかった人も一人もいません。また、嫉妬心を感じなかった人もこの世には一人だっていないでしょう。キミたちの年頃は自分と向き合っていく時です。自身を作り上げていく時です。そして誰もが一度は通っていく道だと思います。 過去は過ぎ去ったもの、既に終わったことです。過去に縛られることなく前方をしっかりと見据えてください。今、実際に動いている新しい時間を大切にしてほしいと思っています。
 未来には無限の可能性があります。論理的にだけではなく実証的にもその通りだと私は思っています。しかし私たちは、それを知っているつもりでも、過去に縛られ未来を限定し、その束縛から自由を失ってしまいます。実は前方には四方八方に広がる道が開けていて、気付きさえすれば、ほんの近くに、キミの傍にそれはあります。
 天王寺学館高校は個人個人の基盤に立脚した、個々人を尊重し、それを大切に育てていきたいと考えている学校です。そして「自由だけど規律ある学校生活」を通して、キミたちは自由の本当の意味を理解することになり、あわせてそこに同じだけの責任があることを知ることになります。それがキミたち一人ひとりの自立という道のりと繋がっていきます。それぞれが自主性を発揮し、必要以上に他の人と比べるようなことをせず、もちろん、今の優しさを失わないで、個人を奮い立たせていってほしいと思います。本校が窮屈な学校でないのは、キミたちが自由の意味を知り、羽ばたくためのベースが必要と考えているからです。
 高校生は学生であり、学習者です。楽しい思い出をたくさん持つこと、これは学生時代の大きな喜びとなることでしょう。たとえば、友情を温め、相互にそれぞれ価値観を受容して多様性を知ることや、感性の異なる人たちがそれぞれの良いところを活かし、力を合わせて何かに取り組んでいくことなどもとても大切な経験になります。
 勉学に受験はつき物ですが、詰め込み型の学習だけではなく、知識に加えて、もっと高みにある教養を深めていく姿勢を持ってほしいと思っています。ここで、高校生を敢えて学習者であると言った意味は、単なる知識の積み上げだけではなく、社会を洞察する力や物事の是非を判断する力を持つための学習をしてほしいと思うからです。知識だけで得るものはそれほど多くはないように思えます。
 教養力は実社会と繋がった有用な知識であり、物事の本質を見極め、その上で堂々と社会と関わっていく力を生み出してくれます。本校では是非、「学び」という行為の本当の意味や意義を今一度改めて考え、深めていってほしいと思っています。
 キミたち若者を導いていくわかり易い一つの力、その原動力は、言い尽くされ、ありふれていますが、やはり「目標や夢」を持つことではないでしょうか。まだ見つかっていない人は本校でそれを追い求め、どうかそれぞれの夢・目標を見つけてほしいと思っています。 最後に、保護者の皆さまに一言お願いを申し上げます。教育は学校だけで出来るものでもございません。ご家庭においては、お子様が健康で規則正しい生活を送れるよう、基本である生活習慣などについて、引き続き、助言やサポートしていただきますようお願い申し上げます。今後は、ご家庭と学校の双方で連携をして歩んで参りたいと思いますので、御協力のほどお願い申し上げます。
 すべての新入生の皆さんの本校における高校生活が実り多いものになることを祈り、私の式辞といたします。本日はご入学、本当におめでとうございます。

2018年10月1日
天王寺学館高等学校
校長 久井通義



平成30年度前期卒業式 学校長式辞


 酷暑の夏もようやく峠を越え、秋の気配が感じられる時節を迎えました。
 今年の上半期は大きな自然災害が続きました。6月18日早朝、震度6弱の大阪では観測史上例のない大阪府北部地震が起こり、また9月4日には台風21号が大阪に上陸して 今も大きな爪あとが残っています。先ごろ北海道においても非常に大きな地震が発生し、たくさんの方々が犠牲となりました。
 そんな中、テニスUSオープンで 北海道と大阪にルーツがある大坂なおみ選手優勝の一報を聞き、被災地に少しでも元気をもたらしてくれたように思います。
 天王寺学館高等学校 第17期生 前期卒業証書授与式に当たり、本校を巣立つ皆さんに一言所感を述べ、餞の言葉としたいと思います。
 保護者の皆様には、ご多用のところ、ご臨席をいただき厚く御礼申し上げます。春の卒業式とは異なり、内輪だけの大変こじんまりとした少人数の式典ではございますが、6名の卒業を教職員一同、在校生一同、心よりお祝い申し上げます。
 キミたちは高等学校の正規課程を努力によって恙無く修了し卒業に至ったこと、誠におめでとうございます。
 今日の佳き日を待ちこがれてこられた保護者の皆様、今日までの様々な出来事を思い浮かべられ、本日一つの節目を迎えられたことに感慨もひとしおのものがおありではないかと 拝察申し上げます。
 皆さんは様々な入学動機を持っていました。体調が思うようにいかなくなった人もいました。人間関係に不安を抱いている人もいました。保護者の皆様には入学以来励まし、ともに悩み、時に衝突し、そのひとつひとつを乗り越えられ、立派に育てて来られたご労苦に対し深く敬意を表します。またこの間、本校に様々のご協力をいただいたことを感謝申し上げます。
 卒業する、ご本人の努力は勿論のことですが、ご家族を始め、ご友人や先生ほか多くの方々の暖かい励ましと理解、支えによって本日を迎えたことを忘れないでほしいと思っています。
 さて、様々な思いを胸に本校に入学してきた皆さんにとって、果たして天王寺学館高校の学校生活が実り多いものであったのか、意義深かかったのか、期待に違わなかったものであったか、あるいは良き友人が得られたのかなど、学校としてはとても関心があり、気がかりでもありました。天王寺学館高校の学校生活はどうでしたか。ここでキミたちが何かを学び取り、成長、自立の道のりの一歩を辿ることができましたか。
 今後のキミたちが、どのように社会参加をし、どのように歩んでいくか、大変に興味があります。いつも卒業式は学校の責任の重さを思う時でもあります。本日、本校を卒業しますが、キミたちの輝かしい未来を心より願うものです。
 世の中は矛盾に満ちていると思うことも多々あるでしょうし、許せないことだって数多くあるでしょう。だから、ただ人の歩いてきた道を歩いていくのではなく、また必要以上に人と比べることはせず、キミたちの信じるそれぞれの道を歩いていってほしいと思っています。若者であるキミたちこそ、あたらしい地平は自らで生み出していく!そのような気概を持って歩いていってほしいと思っています。
 学びはこれからも続いていきます。ここでの学びは教科書だけを言ってはいません。多くのことに関心を持ち、多くのことを感じ、そして努力すべき時は努力をして、社会を正しく見ることができる深い教養や洞察力を身に付けて、キミたち自身の信じる道を、妥協しない信念を堅持して歩いていってほしいと思っています。
 幾つもの困難なハードルがキミたちを待ち構えているかもしれませんが、勇気を奮ってそれを飛び越え、自分らしさを失わず、挫けずに夢を持ち続け、意志、信念を貫いていってください。
 進路について相談のある人は引き続き相談をしてほしいと思っています。名残惜しい思いがありますが、皆さんの天王寺学館での学校生活は今日を以て終わります。最後に、堂々たれ天学生と言いたい。
 新しい旅立ちを祝し、これからのキミたち一人ひとりの人生が美しく花開くことを応援しています。簡単ですが以上を式辞とします。

2018年9月12日
天王寺学館高等学校
校長 久井通義



平成30年度入学式 学校長式辞


 風光る、うららかな春爛漫のこの佳き日、ご来賓、保護者の皆様方にはご多用の中、多数ご臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 平成30年度、天王寺学館高等学校第17期・入学式を執り行わせていただくこと、教職員一同、そして在校生にとりましても大きな喜びでございます。
 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。保護者の皆様方には、これまでお子様を見守り、慈しみ、立派に育てて来られたご労苦に対し、深く敬意を表します。 躍動や再生をイメージさせるこの春の佳き日に、皆さんは心機一転、新しい気持ちで高校生活に踏み出して頂きたいと思います。
 本校での高校生活が、快活で輝きに満ち、これまで生徒たちが築いてきた穏やかで柔らかな校風の中で、新しい友情に触れ、刺激しあい、相互に夢を語り合い、小さな勇気を積み上げ、それぞれが自らを鼓舞して、何事にも意欲的に取り組み、一人ひとりの本校での高校生活が充実し、実り多い日々となることを教職員一同願っております。
 皆さんの中には、前の学校で辛い思いを経験したり、人間関係に苦しみ悩んできた人がいます。体調が思うようにならなくなった人もいました。あるいはとても生真面目な性格からか、自分に厳しくて、自分自身と向き合い続けてきた人もいました。今年度も、誠実で、礼儀正しく、人の気持ちを大切にできる心優しい若者たちが数多く本校の門をくぐってくれました。
 …そして今、縁あって天王寺学館高校という場で、入学式にそれぞれがそれぞれの思いを持って臨んでいます。何気ないかもしれない、この縁を、この出逢いを大切にしたいものです。キミたちのすべてに必ずある輝かしい未来、本日のこの一歩、その一歩を是非、同窓の友となるだろう人たちとともに、明るく元気におおらかに前に進めていくことにしましょう。
 誰にでも喜びがあるように、誰にでも辛いことが起こります。それは勿論あなただけではありません。誰しもが大なり小なり経験する、大人になっていくための一つ一つの試練のようなものであって、いずれは社会性を備え、他者とともに共生していくこと、そのための礎のようなものでもあると思っています。
 悩みが人を成長させる、その通りだと思います。悩んでいる最中は苦しくとも、同時にあなたがたが気付かぬうちに、悩みの量だけあなたがたの中で変化が起こっていて、悩みの数だけ、あなたがたが深まり、育っていることに、いつか必ず気付く日が来ます。
 学ぶ意味は何なのかと質問されますが、難しいです。一つは教養を深めるためのものだろうと考えています。深い教養は、世の中の真理やあるいは錯誤、矛盾、といったものを見抜く力を持ちます。状況を分析する力や判断力が養われていきます。論旨を整理できる力が備わり、今まで見えなかったものがはっきりと見えてきます。
 そしてその過程にある学習という行為は、未知の事柄を知りたいという私たちの知性や感性に働きかける根源的な、成長していく人としての希求でもあり、また何も見えない無知という状況から脱却する喜びでもあるはずです。このように、学ぶという行為の範囲は広く大きく深く終わりがありません。
 たとえば読書を介して、先人の青春時代の苦悩と歓喜を間接的に経験し切なくなることや、あるいはそれぞれの様々な直接的経験、多くの体験の積み重ね、美しいものを見ること、芸術を理解すること、音楽を愛すること、語学を学ぶこと、さらには異文化の多様な価値観に触れてみることなど、学びとはとても大きくて広い領域のものです。私たちは本来その様なものを学びとして求めているはずでした。つきものの受験勉強は大切ですが、それは学習の成果の一つの側面に過ぎず、教科書、問題集の中だけのごく一部の限定的な教養でしかありません。
 高校生は学習者です。本来、学びには、制限などなく自由なものであり、高校生だからと言って、たとえば海外を旅して新しい何かを学ぶ事だって、しようとさえ思えばできなくはありません。
 そのためには間違った秩序に左右されず、知的好奇心を束縛から解放し、定められた枠組みの中に埋没せず、自由であるべき多感なキミたちは、学びから得られる真理を求め続けていってほしいと願っています。性急に結果を求められる中ですら、妥協はせず、時間に逆らってでも悠然と堂々と自らの歩を自分のペースで、進めることも素晴らしいと思っています。
 本校は決して窮屈な学校ではありません。かなり自由です。…「自立」、本校の最終の教育目標は、ありふれていて陳腐かもしれませんが、ここにあります。学校行事も強制は行いません。人それぞれの心情や状況があることを知っているからです。殆どすべてを君たちが自身で選択すれば良いと思っています。
 …空いた時間をどうするか。
 …人生とは、選択の連続の時間。そして人生は一回。同時に時間は歩を前に進め続けていきます。だから、私たちは一日一日の時間を大切にし、「大きく間違わない選択」をしていかなければなりません。振り返って見てください。理由もなく時間に甘い自分を戒めなければならない人がここにもいるかもしれません。少なくとも成長途上のキミたちは時間を浪費してはいけない、努力を怠ってはいけない。これだけは言っておきたいと思います。
 過去は過去、過去に縛られ未来を限定することなく、見えすぎている近く、あるいは今を見るのではなく、前方に広がったまだ見えない遥かな道に向かって、自分を信じて目標を堅持して、歩き続けていってほしいと思っています。
 保護者の皆さまにお願いを申し上げます。教育は学校だけで出来るものでもございません。ご家庭でしかできないこともあり、お子様の成長には、家庭と学校が連携し、協力していくことが求められます。ご家庭におかれましては、お子様が健康で規則正しい生活を送れるよう、基本である生活態度・生活習慣などについて、引き続き助言やサポートをしていただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。
 最後に、先ごろお亡くなりになったホーキンス博士は、『人生は、できることに集中することであり、できないことを悔やむ必要はない。』と言いました。筋肉の病気でほぼ人生のすべて、車椅子の上で研究を続けたホーキンス博士は、ブラックホールからの粒子放出の存在を予知し、現代宇宙論に大きな啓示を与えています。
 視覚・聴覚に障がいを持った、ヘレン・ケラーさんは「もしも、この世が喜びばかりなら、人は決して勇気と忍耐を学ばない。」と言いました。社会福祉活動に生涯を捧げ「奇跡の人」と呼ばれました。
 お二人は、目標を持ち続け、真理を探究した人でした。厳しい状況の中で、「努力を続けていった人」でした。

 以上を私の式辞と致します。

2018年4月6日
天王寺学館高等学校
校長 久井通義


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